ミテンの本棚 > みやざき風土記 | ||||||
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比木神楽 比木神社は6年毎に奉納される六社連合大神事(神楽)と毎年神社独自で奉納される神楽ある。令和元年(2019)12月7日・8日、比木神社独自の神楽奉納があった。三納代の八幡神社から加勢があり、夕方7時の神事から翌朝8時迄滞りなく奉納された。 神楽奉納 1番 壱番神楽 20:35〜21:05 2人舞。烏帽子を被り白狩衣、白袴、足袋を着け、右手に扇子、右手に鈴を携える。 正面を向いて座し扇子、鈴を採り立ち上がる。 太鼓方 「此所よき此所と地を誉めて、処をほめて神を招ずる」と唱えるなか舞が始まる。 正面に進み四股を踏むような中腰となり両手を開く。次に太鼓に合わせて初め大股で5、6歩後退し、細かい足踏みし90度方向を替える。この所作を繰り返し、2人は横並列、対角に向い合うなど位置を替え、両手を開く、袖を腕に巻き解くなど行い、中盤2人は正面を向く。 太鼓方が「ハンヤ 日向なる伊勢男の妻の五十鈴川、万世までも流れたえせず」と称え、 続いて舞手が 「伊勢の国山田ヶ原の榊葉に 心の注連を引かぬ間もなし」と歌い、更に「抑々、地神五代は第一に天照大御神(あまてらすおおみかみ)、第二に正勝吾勝勝速(まさかあかつかちはや)日天忍穂耳尊(びあめのおしほみみのみこと)、第三に彦穂瓊々杵尊(ひこほににぎのみこと)、第四に彦火々出見尊(ひこほほでみのみこと)、第五に彦名瀲武鵜茅葺不合尊(ひこなぎさたけうがやぶきふあえずのみこと)と申奉る。御后(みささき)神は玉依姫命と申し給ひて人皇第一代に当らせ給ふ神武天皇を産み給ひて、元の竜宮に帰らせ給ふとこそ説き置き給ふよ。ハンヤ榊葉は何時の時にか折りそめて岩戸の前にヤア飾りとはせし」「千早振る神代の鏡掛けて見よ、神代はいつも曇らざりけり、抑々、二柱の大御神と申奉るは、此国に下らせ給ひて三柱の神等を産み給ふ。一に天照大御神、二に月夜見之尊、三に素盞嗚尊とこそ説き給ふよ」と唱え、 太鼓方「ハンヤ 西の海檍が原の浪間より 現れ出でし住吉の神」と歌う。 終盤に片足跳びで舞うことがあるが、全体的に優雅で気品に溢れた舞である。舞処(御神屋)を浄め神々を迎える。 |
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2024-08-14 更新 | ||||||
著者プロフィール | ||||||
前田 博仁(まえだ ひろひと) 昭和40年宮崎大卒。県内小学校、県総合博物館、県文化課、県立図書館を歴任、 平成15年宮崎市立生目台西小学校校長定年退職。 現在、宮崎民俗学会会長 (県)みやざきの神楽魅力発信委員会顧問、(県)伝統工芸品専門委員、 高鍋神楽記録作成調査委員会参与、日南市文化財審議会委員 著書 『近世日向の仏師たち』(鉱脈社) 『薩摩かくれ念仏と日向』(鉱脈社) 『近世日向の修験道』(鉱脈社)、 『比木神楽』(鉱脈社)、 『神楽のこころを舞いつぐ』(鉱脈社)、 他に『鵜戸まいりの道』 『飫肥街道』(鉱脈社) 共著 『宮崎県史 民俗編』 『日之影町史(民俗)』 『北浦町史(民俗)』 『日向市史(民俗)』 『清武町史(民俗)』 『みやざきの神楽ガイド』 |
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