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体で感じる・心が育つ
こどもに関するコラム集!専門家がコラム・情報を掲載しています。
 
No.195 何がいけなかったのか?
原 田 京 子 ( 児童文学作家 )
 静岡県の川勝平太知事は4月1日、新人職員への訓示の中で、「県庁というのは別の言葉で言うとシンクタンクです。毎日野菜を売ったり、牛の世話をしたり、物を作ったりとかと違って、基本的に皆さんは頭脳・知性の高い方たちです」と発言し、この発言によって静岡県庁には2500件を超える電話やメールでの批判が寄せられました。
 川勝知事のこの発言の一番の問題点は、人を鼓舞するにあたり、不適切な比較をしたことにあると私は考えます。野菜を売ったり、牛の世話をしたり、物を作ったりする仕事を頭脳や知性の高さ云々といって比較していること自体、無知で傲慢極まりないのはもちろんですが、あまりにもヴォキャブラリーが乏しすぎます。もちろん、川勝知事のものの考え方自体に問題があり、だからこそたくさんの失言を生み出しているのだと思いますが。
 この発言を聞きながら、私たちも同じようなことをしでかしているのではないか? と考えるのです。日ごろの発言において、私が常に気をつけているのは、誰かを褒めるときに別の誰かを貶めていないだろうかということです。
 どうして人は比較をしたがるのでしょうか?
 昨年の12月に、私は人工関節置換術の手術を受けました。手術を終えた後、久しぶりに会った人々の私に対する発言を聞きながら、その人の人間性というものが発言には露骨にでるものだなあと思いました。「大変だったわねえ」「良くなって良かったわねえ」その多くがそんなふうに私の回復を喜んでくださるものでしたが、私が気になった発言が二つありました。そのひとつは、手術をした病院名を聞いて、「どうして○○病院で手術しなかったの?」というものでした。その発言をした方は、その日の新聞で○○病院に新しい治療機械が導入されたという記事を目にしたためでした。その方の発言は一瞬私を不安にさせましたが、結局のところ、その記事の内容は股関節の手術とはまったく無関係で何の意味も持たなかったのです。つまり何の根拠もなくその方はそんな発言をしたのでしたが、友人でも知人でもなく何の人間関係もない相手に対して、何の根拠もなしに相手を不安にするような発言をする人間の真意を測りかねたのでした。
 もうひとつの発言は「□□病院のほうがいい先生がいるって聞いたけれど」というものでした。その発言もまた、私とは何のつながりもない方からのものでしたし、その情報自体根拠のない、また聞きのいいかげんなものでした。それらの発言をした人の性格に問題があるといったらそれまでですが、世の中にはいろいろな人がいるものだとあらためて思ったのでした。
 その言葉を発しても、誰も幸せにできないような言葉を、どうして発するのでしょうか? 自分の発言が相手にどのような影響を与えるのか、その発言によって自分の人間性を推し量れるのに、ということを考えることができないことこそが頭脳や知性と関係があることを理解していないところは川勝知事と同じだといえるでしょう。このような発言をした、何の人間関係ももたないこれらの人々とは、おそらく生涯付き合うことはないだろうと思ったことでした。
 言葉は大きな力を持ちます。時に人を鼓舞し、時に人を傷つけます。言葉というものを紡ぐ仕事を生業とするからには、私は慎重すぎるくらい慎重になろうと日々自分に言い聞かせているのです。だからこそ、「その言葉を聞いても誰も幸せにはならないような言葉」を無神経に吐き出す人に私は嫌悪感をおぼえるのです。
 ちょっと過激な発言をしてしまったので話題を変えましょう。
 股関節の手術をしてから4ヶ月が経ちました。経過はとても順調です。でも、私は杖を手放さないでいます。まだまだ杖なしで歩くことに不安があるからです。杖をついていて感じるのは、「人間は本来みんないい人なんだなあ」ということです。杖をついているとたくさんの人からたくさんの愛情を受け取ることがあるからです。先日も、女の子を連れた若いお母さんからとても親切にしていただきました。「どうもありがとうございました。本当に助かりました」、そうお礼を言ってさようならをしたあと、その二人の後ろ姿を見送りながら、私は、この娘さんはきっとお母さんのように優しい女性に成長するのだろうなあ、そう思いました。どんな言葉による教育的指導よりも、お母さんの後ろ姿から子どもたちは学ぶのだろうなあ、そう思ったからでした。そんなことを考えていると、親である私たちの行動のひとつひとつが子どもたちにとって大きな意味を持つのだとあらためて思っています。よく「子どもは親の言うとおりに育つのではない。親のするとおりに育つ」といいますが、まさにその通りだと思います。
 さて、とりとめもないことを書いてきましたが、最近の私はようやく本来の私にもどれそうかなあと思っているところです。というのも、手術から4ヶ月、安静にするために(私はつい無理をしてしまう性格なので)、ジムでのトレーニングを休んでいました。本来なら、「ジムでのトレーニング」と「創作活動」という対極に見える二つの活動をすることで私という人間のバランスをとっていたのですが、トレーニングを休むことで頭は疲れても体が疲れていないという不安定な状態が続き、ストレスがたまっていました。だから4月からトレーニングを再開し、ようやく本来の私らしい生活に戻りつつあるようです。体を動かすことは本当に大切なことだとあらためて思っています。しかし、その代わりに家で過ごす時間が多かったことで、3つの作品を仕上げることが出来ましたし(原稿用紙にして100枚ほど)、これからさらに長編の作品に取り掛かるので、トレーニングと掛け持ちで大変だとうれしい悲鳴をあげているところです。
 それでは最後に美しい言葉を発することが出来る人間になれるよう、私がいつも心に留めている言葉を書いておきますね。
『できるだけたくさんの本を読み、美しいものに触れ、思いやりをもって人と接する。当たり前のことを言っていると思うでしょうが、そういうことの積み重ねが、本当に人を美しくするんです』(斉藤茂太)。
2024-05-01 更新
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著者プロフィール
原田 京子(はらだ きょうこ)
1956年宮崎県生まれ
大学院修士課程修了(教育心理学専攻)

【著書】
児童文学
『麦原博士の犬語辞典』(岩崎書店)
『麦原博士とボスザル・ソロモン』(岩崎書店)
『アイコはとびたつ』(共著・国土社)
『聖徳太子末裔伝』(文芸社ビジュアルアート)
エッセー
『晴れた日には』(共著・日本文学館)
小説
『プラトニック・ラブレター』(ペンネーム彩木瑠璃・文芸社)
『ちゃんとここにいるよ』(ペンネーム彩木瑠璃・文芸社)
『タイム・イン・ロック』(2014 みやざきの文学「第17回みやざき文学賞」作品集)
『究極の片思い』(2015 みやざきの文学「第18回みやざき文学賞」作品集)
『ソラリアン・ブルー絵の具工房』(2016 みやざきの文学「第19回みやざき文学賞」作品集)
『おひさまがくれた色』(2017みやざきの文学「第20回みやざき文学賞」作品集)
『HINATA Lady』(2018みやざきの文学「第21回みやざき文学賞」作品集)
『四季通り路地裏古書店』(2019みやざきの文学「第22回みやざき文学賞」作品集)




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「彩木瑠璃の癒しの庭」 http://ameblo.jp/akylulu/
「彩木瑠璃の心の筋トレ」 http://blog.livedoor.jp/saikiruri/ 
「巴里アパルトマン生活を夢見て」 http://blog.goo.ne.jp/saikiruri


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