ミテンの本棚 > 体で感じる・心が育つ | ||||||
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バックナンバー一覧
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あけましておめでとうございます。今年もこのコラムをよろしくお願いいたします。 このコラムも18年目に入りました。最初のコラムから読んでくださっている方はご存知かと思いますが、息子の幼児期の記述に始まったコラムも(もうその当時、息子はすでに大学生になるかならないかという頃でしたが)、バックナンバーのタイトルが示すように、実に多種多様な内容になりました。毎月コラムを書くたびに、様々なことを考えます。書きたいことは山ほどありますが、どんな内容にしたら皆さんに読んでもらえるか、皆さんの子育てのほんの少しだけでも助けになるか、さまざまなことに思いを巡らして書いてきました。 もうすぐ古希(70歳)に手が届こうとしているせいか、最近では、未来に思いを馳せるよりも、歩いてきたこれまでを振り返ることが多くなりました。ですから、「子育てコラム」というよりも「人生コラム」というほうが的確かもしれません。でも、皆さんのもとに届いたときに、ああ、このコラムを読んでよかった、そんなふうに少しでも思っていただけるように、皆さんの心に響くような内容をこれからも心を込めて書いていきたいと思っています。 これまでのコラムでもわかるように、私はたくさんの本を読んできました。ですから、本の数は増えるばかりで、置き場所に困ってしまいます。たぶん5千冊以上はあると思います。そんな本たちをコラムの中でも紹介してきましたが、コラムを振り返ってみると、私自身の馳せる思いが実に多岐にわたっていることに、我ながら感慨深いものがあります。その内容たるや、中国の古典『四書五経』から『孫子の兵法』、さらにはスティーブ・ジョブズに至るまで、興味の対象が多種多様で、本当に「本」というものの存在は私にとって大変貴重で、実にたくさんの目に見えないものを与えてくれるのだと思っています。ですから、これからも私が読んで感動した本や、ぜひとも読んでほしい本を、このコラムで紹介していきたいと思っています。 さて、最近の私が思うこと、それは、この地球上のすべての人が幸せになるということは実現不可能なことなのだろうか、ということです。なぜなら、世界のあちこちで起こっている戦争やテロなどの犯罪、これらがなくなることがないからです。こうしている今も、世界のあちこちで、たくさんの人がその犠牲になっているのです。 テロといえば、私が一番ショックだったのは2001年のマンハッタンでの9.11同時多発テロ事件です。1985年から1年近く、私はマンハッタンに住んでいました。私は地図がなくてもマンハッタンの街を歩くことができました。マンハッタン島はそれくらい小さくて整然とした街でした。南北を走るアヴェニュー、東西を走るストリート。そして、南北を斜めに貫くブロードウエー。ストリートとアヴェニューの番号さえわかれば迷うことはありません。 私が住んでいた頃はまだツインタワーがありました。この近くによく利用していた旅行社があったので、この高いツインタワーの前を横切って旅行社に行き、帰りに近くのチャイナタウンで中華を食べたものでした。 しかし、もう今はこのダウンタウンのシンボルともいえる存在だったツインタワーは存在しないのです。私にはありえない光景です。そして、マンハッタンの住人にとっては想像を絶する光景となったのです。あれ以来、マンハッタンを訪れることはありませんが、テレビなどで観るマンハッタンはずいぶん様変わりしているようです。 私は世界中の街の中でマンハッタンが一番好きです。「人は、一番最初に訪れた国が一番好きな国になる」そうですが、それは事実かもしれません。懐かしいマンハッタンの街並みとそこに住むあらゆる人種の人々。そして、まったく知らない同士なのに、一瞬にして近づけてしまう「ハグ」という行為。私にハグを教えてくれたこの街が、私は世界中で一番好きです。 さて、話はガラリと変わりますが、私は年末年始を病院で過ごすことになります。人工関節置換手術を受けるためです。入院して手術をするという経験は初めてではありませんが、日常とはかけ離れた非日常の日々を経験することは、私に様々なことを考えさせます。 入院するにあたり、体中のあらゆる検査をしました。そして、手術に伴うあらゆる可能性を認識し、手術に臨みます。できるだけ日常と同じ生活をしたいと思っても、それは不可能で、行動も所持品も制限されます。なんだか修行に入るような感じです。 今年最初のコラム、とりあえずはこの辺で終わることにしますが、入院した日々の生活について、もし私にそのゆとりがあるならば、是非、今月のコラムの続きとして書いてみたいと思っていますが、果たしてどうなることでしょうか? 〈続く〉 |
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2024-01-01 更新 | ||||||
2007
| 12
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著者プロフィール | ||||||
原田 京子(はらだ きょうこ) 1956年宮崎県生まれ 大学院修士課程修了(教育心理学専攻) 【著書】 児童文学 『麦原博士の犬語辞典』(岩崎書店) 『麦原博士とボスザル・ソロモン』(岩崎書店) 『アイコはとびたつ』(共著・国土社) 『聖徳太子末裔伝』(文芸社ビジュアルアート) エッセー 『晴れた日には』(共著・日本文学館) 小説 『プラトニック・ラブレター』(ペンネーム彩木瑠璃・文芸社) 『ちゃんとここにいるよ』(ペンネーム彩木瑠璃・文芸社) 『タイム・イン・ロック』(2014 みやざきの文学「第17回みやざき文学賞」作品集) 『究極の片思い』(2015 みやざきの文学「第18回みやざき文学賞」作品集) 『ソラリアン・ブルー絵の具工房』(2016 みやざきの文学「第19回みやざき文学賞」作品集) 『おひさまがくれた色』(2017みやざきの文学「第20回みやざき文学賞」作品集) 『HINATA Lady』(2018みやざきの文学「第21回みやざき文学賞」作品集) 『四季通り路地裏古書店』(2019みやざきの文学「第22回みやざき文学賞」作品集) *********************** ※ブログのアドレス(※モバイルでは正しく表示されない場合がございます。 ) 「彩木瑠璃の癒しの庭」 http://ameblo.jp/akylulu/ 「彩木瑠璃の心の筋トレ」 http://blog.livedoor.jp/saikiruri/ 「巴里アパルトマン生活を夢見て」 http://blog.goo.ne.jp/saikiruri ----------------------------------------------------------------------- 『プラトニック・ラブレター』の単行本が好評で、装いも新たに幻冬舎から電子書籍化されました。 Amazonの電子書籍はこちら(外部サイトへ) 紀伊國屋の電子書籍はこちら(外部サイトへ) |
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