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みやざき風土記
県総合博物館・県文化課・県立図書館で民俗や文化財、郷土史料等専門的業務に長年従事した専門家が、風土や風俗、伝統芸能、地域史など宮崎の文化を分かりやすく紹介します。
 
No.224 宮崎の神楽に於ける岩戸開き演目(1)
前 田 博 仁 ( 宮崎民俗学会会長 )
 宮崎県中央以北の神楽に「伊勢」「伊勢神楽」という演目がある。この演目はどこの保存会でも宮司など神職が舞うといい他の演目と扱いが異なる。多くの場合舞処の正面に設えた天の岩戸を前に、一人の舞い手が2本の御幣を採物に長い唱教を唱えながら静かで優雅な舞を披露する。唱教は天照が弟神素戔嗚の悪行を恐れ天の岩戸に閉じこもったことから、高天原と豊葦原の中つ国が常闇になり、困った八百万の神々が天照を引き出す方策を智恵神思兼に企画させ、それに協力する児屋根命、宇受売命、布刀玉命、手力男命など諸神の役割を説明する。

 高千穂神楽では「伊勢神楽」の後鈿女とか手力男、柴引、戸取、舞開など一連の演目を演じ、これらを「岩戸五番」といい最も重要な演目に位置付けている。
高千穂神楽
 昭和53年(1978)、町内24か所で舞い継がれる夜神楽が国の無形文化財「高千穂の夜神楽」として指定されたことで脚光を浴びた。
 古代、紀伊熊野宮の荘園となった高千穂には熊野信仰が定着、高千穂各地に熊野神社が建立され神楽が行われるようになり、宮崎県内神楽で最も古い起源を有すると言われる。
 高千穂の神楽は演目も舞順も概ね同じ。先ず神を迎えに鎮守社に参り、神事の後神を勧請した輿を前列に神主や地区役員などが後に続き、神楽舞い手は道神楽を舞いながら神楽宿へ向かう。神楽宿に舞いながら入る「舞込み」をし、御神屋に神を迎える。
 先ず御神屋を浄めて神を降し、「御神屋はじめ」の唱教で始まり、舞は「彦舞」から「太殿」「神下ろし」と続き、太刀を採物にする「太刀神添」や「岩潜り」、弓矢・鉄砲を持つ「山森」などが舞われ、真夜中に増殖を表わす「御神体」、夜明け頃「伊勢神楽」の後「鈿女」「手力雄」「柴引「戸取」「舞開」と一連の舞が奉納される。伊勢神楽から舞開に至る演目は「岩戸五番」と言われ高千穂神楽では最も重要とされ、手力男が岩戸を開け天照大神を導き出す舞が展開するとき、山の端から太陽が出て神楽宿に日が射す、天照の出現で常闇だった高天原や葦原の中つ国に再び太陽が蘇るという神話を表現するという心憎い演出となっている。

 高千穂神楽の「伊勢神楽」は天の児屋根命が岩戸の前で天照大神を岩屋から導きだす経緯を唱えながら舞うという形になっている。
 唱教とは演目の由来や内容を舞い手が舞の中で、または太鼓方もしくは控えの舞手が述べるものである。
高千穂神楽 伊勢神楽唱教
 そもそも天神伊佐那岐、伊佐那美命の御子に、日の神、月の神、蛭子、素盞嗚命とて、一女三男おわしまし。第一に日の神と申し奉るは秋つ島宗廟大日孁の命これなり。第二に月の神と申し奉るは月読命これなり。第三に蛭子の命と申し奉るは西の宮の御神これなり。第四に素盞嗚命と申し奉るは出雲国大社これなり。
 素盞嗚命の曰く、父母の授け給う姉の天照大神には高天原をしらしめ、月読命には青海原を知らしめ、蛭子命は三年になれども足立たずして、天の磐楠船に乗せ風のままに放って、遂に摂州の海辺に跡を垂れ給う。我には葦原の中つ国を賜る故、今日本の地の主と言うは我なり。然るに天照大神我国の主となり給うこと不当なりと、大和国宇陀の郡うのの里と言う所に至り、矢剣を作り天照大神を従えんとせし御時、天照大神には早この事を聞こし召し、素盞嗚命を恨むともおろかと思し召し、天の岩屋奥深く閉じ籠らせ給えば、(略)大日本は無明の闇となること三年三月なり。八百万の神達は岩屋戸の口に集り、天に仰ぎ地に俯して歎き悲しみ給えども、明らかなること更になし。その時手力男命は安き謀ありよと天の香久山に登り、榊七本根こぎにしてこれを岩屋戸の口に植えつけ、香久山の土を採り鏡玉を作らせ、上つ枝には八尺の勾玉を掛け、下つ枝には八咫の鏡を掛け、中つ枝には青にぎて白幣を掛け、これを神の体として七五三の注連を引き、既に三年三月御神楽を舞い遊ばせ給えば、天照大神には我を請づる神のあるよと思し召し、岩屋戸の口を細めに見そなわせ給えば、大日本は朧月夜の如くなり給う。
 その時御言葉に面白しとのたまえば、今人間に至るまで面白しとは申すなり。その時天鈿女命は天照大神の御心をすずしめん為に、日陰蔓を襷に繁け、笹の葉を手に持ちて、手を伸べ足を伸べ歌いて舞い遊び給う。この命の襷は禰宜神主の用ゆる「ゆうだすき」の起こりのなり。諸々の神達我有りたけの知恵を出し、数多くの神供を供え、中臣の遠つ祖天児屋根命幣帛を取りて舞い遊ばせ給う。手力男命は力世に優れ給う神なれば、岩屋の戸を左右へ取りて投げさせ給えば、山田ヶ原日向国檍ヶ原につき給う。その御時天鈿女命は天照大神の御手を取りて心すずやかに舞い出させ給えば、大日本は明らかに拝まれ給うこととなれり。(小手川善次郎著『高千穂神楽』)
 唱教では手力男命が天の香具山から榊を掘り取って来て、榊に鏡や勾玉を飾り付けたりする。『古事記』と神楽に登場する神々の役割が多少違っているが、内容は『古事記』と概ね同じである。
2022-06-07 更新
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著者プロフィール
前田 博仁(まえだ ひろひと) 
昭和40年宮崎大卒。県内小学校、県総合博物館、県文化課、県立図書館を歴任、
平成15年宮崎市立生目台西小学校校長定年退職。
現在、宮崎民俗学会会長
(県)みやざきの神楽魅力発信委員会副委員長、(県)伝統工芸品専門委員、
高鍋神楽記録作成調査委員(参与)、日南市文化財審議会委員

【著書】
『近世日向の仏師たち』(鉱脈社)
『薩摩かくれ念仏と日向』(鉱脈社)
『近世日向の修験道』(鉱脈社)、
『比木神楽』(鉱脈社)、
他に『鵜戸まいりの道』
『飫肥街道』(鉱脈社)

【共著】
『宮崎県史 民俗編』
『日之影町史』
『北浦町史』
『日向市史』
『みやざきの神楽ガイド』
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