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体で感じる・心が育つ
こどもに関するコラム集!専門家がコラム・情報を掲載しています。
 
No.208 闇の中にいます
原 田 京 子 ( 児童文学作家 )
 現在、私は闇の中にいます。だいたい、1年のうち一度くらいこんな状態に陥ります。
 書くことは私にとって呼吸をすることと同じくらい大切で自然なことだと書いたことがありますが、同時に、書き続けていると、必ず闇に入り込みます。
 このところ、ひと月ほど集中してたくさんの作品を書いたので(短編を8つ:400字詰原稿用紙に換算して50枚くらい)、脳が疲弊をしているせいかもしれません。短編を書き終わって長編にとりかかったところで、闇に入ってしまいました。
 私にとって、「書くことは天職」であり、「私の書いたものを読んだ子どもたちを幸せにすることが天命」だと思っていると、このコラムでも何度も書いてきました。その思いは変わらないし、おそらく死ぬまで書き続けるでしょう。
 ただ、現在、闇の中にいる私にとって、その闇を抜けることは大変骨の折れることなのです。そして同時に、闇を抜けたときの喜びを味わうために、こうして闇の中で甘んじているといっても過言ではありません。
 とにかく、毎日、パソコンの前に座って文章を考える、そのことをルーティンにしていますから、こうして闇の中にいても文章を書いているのです。
 そんなときのひとつの解決法は、自分の書いた作品を読むことです。これまで出版された本や、賞をいただいた作品が本になったものの中から、自分が気に入ったものを選んで読むのです。ああ、私はこんなにステキな作品を書けるのか、とまあ自画自賛ですが、そんなことで自信を取り戻したりするのです。
 とくに好きな作品は『四季通り路地裏古書店』(第22回みやざき文学賞小説部門一席受賞作品)ですが、この作品には、まさに小説を書こうとする主人公が創作において悩み苦しんでいる姿が描かれています。この作品は、母の介護を一手に引き受けていた頃に書いた作品ですから、先月のコラムにも書いたように、私自身が円形脱毛症と腰椎ヘルニアと変形股関節症という病をかかえ、大変な時期だったのです。そんな中で生まれた作品ですから、本当によく書けたものだと、自分でも感心しています。むしろ、大変な時期だったからこそ、書けたのかもしれません。つまり、安穏と暮らしていない時間を過ごしていたからこそ、思考がいつも以上に働いたのかもしれません。そんなことを考えると、本当に神様はいつも有益な時間を与えてくださるのだと思うのです。
 現在、子どもたちを囲んでいる世界は、とても恐ろしい世界だと思っています。私たちが子どもの頃とはまったく違っているからです。その一番の違いは携帯電話です。私はこんな恐ろしいものを子どもたちが持っていることに危機感を覚えます。大人でさえ簡単にだまされ、たくさんのものを失ってしまうこの恐ろしいものに、子どもたちが影響を受けないわけがありません。それは便利であると同時に恐ろしい、いわゆる「諸刃の剣」なのです。そんな恐ろしい道具をテーマに作品を書いている最中に、私は闇に入ってしまったというわけです。
 現在、学校でも授業においてもタブレットが導入され、大いに活用されてはいますが、それによって、子どもたちはノートに直接文字を書くことから次第に遠のき、紙に書かれた文字からも遠のき、分厚い辞書を引いたり、絵のない本を読んだり、といったそんな地道な作業をしなくなるのではないか、と思っています。
 さて、私のもうひとつの不安。それは、何を食べたらいいのか、何が体にとっていいのかといった、食べ物に対する不安です。
 たとえば、マーガリン。これはトランス脂肪酸なので、体にとってとても悪いものですが、私たちのまわりにはマーガリンを使った食べ物がたくさんあります。おそらくお菓子類、パン類にはほとんど含まれていると思います。アメリカやヨーロッパではすでにその体への悪影響が周知され、使われなくなっていますが、日本で販売されているお菓子などにはしばしば含まれています。
 私は菓子パンなどの類はまったく食べませんが、お店に売っている菓子パンの入った袋に書かれた原材料を見ると、ほとんどといっていいほどマーガリンが入っています。また、ベーカリーショップのパンにもマーガリンが含まれています。ですから、私はパンを買うことはめったにありませんが、たまにパンを買うときには「マーガリンが入っていますか?」と聞くようにしています。
 また、コーヒーを飲むときに出される小分けされた、いわゆる「コーヒーフレッシュ」なるものにもトランス脂肪酸が含まれています。あれはミルク(牛乳)ではなく人工の似非ミルクです。ショートケーキのクリームやホイップも、牛乳由来の動物性の生クリームではなく植物性油脂のトランス脂肪酸が原料です。
 さらに、加工肉のたぐいもたくさんの添加物が含まれていますし、お豆腐や納豆も遺伝子組み換えの大豆が使われていたりするので、食品に書かれた表示をよく確かめなければなりません。こうなってくると、何が安全で、何が体にいいのか選択肢が限られてくるのです。完璧にこれらの体に悪影響を及ぼすものを排除することは不可能ですから、できる範囲で選択するようにしています。そんな中で、体へ悪影響を及ぼす食材を極力排除して、本当に体にいいものを選んで作っているお店も存在します。私が毎年クリスマスに購入している「森のマドゥ・パン」というお店の「シュトーレン」は、安全・安心な材料だけを使って作られています。こんなふうに体にいいものを選んで作っているというお店が増えていったらいいのにと、最近、とくに思うのです。
 今月のコラムは、闇の中にいる私が書いているので、不安だらけの暗い内容になってしまいました。来月は、6月の終わりから7月の始めにかけて2週間ほど北海道に行きますので、ぜひとも心が癒されるような、北海道にあふれた内容にしたいと思っています。乞うご期待です。
2025-06-02 更新
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著者プロフィール
原田 京子(はらだ きょうこ)
1956年宮崎県生まれ
大学院修士課程修了(教育心理学専攻)

【著書】
児童文学
『麦原博士の犬語辞典』(岩崎書店)
『麦原博士とボスザル・ソロモン』(岩崎書店)
『アイコはとびたつ』(共著・国土社)
『聖徳太子末裔伝』(文芸社ビジュアルアート)
エッセー
『晴れた日には』(共著・日本文学館)
小説
『プラトニック・ラブレター』(ペンネーム彩木瑠璃・文芸社)
『ちゃんとここにいるよ』(ペンネーム彩木瑠璃・文芸社)
『タイム・イン・ロック』(2014 みやざきの文学「第17回みやざき文学賞」作品集)
『究極の片思い』(2015 みやざきの文学「第18回みやざき文学賞」作品集)
『ソラリアン・ブルー絵の具工房』(2016 みやざきの文学「第19回みやざき文学賞」作品集)
『おひさまがくれた色』(2017みやざきの文学「第20回みやざき文学賞」作品集)
『HINATA Lady』(2018みやざきの文学「第21回みやざき文学賞」作品集)
『四季通り路地裏古書店』(2019みやざきの文学「第22回みやざき文学賞」作品集)




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