| ミテンの本棚 > 宮崎、歴史こぼれ話 | ||||||
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 正徳6年(1716)閏2月18日霧島山が爆発、3月16日にも霧島山の釈迦之嶽西方に当たる火口が爆発した。この年7月に享保と改元。享保元年(1716)8月11日霧島山爆発、さらに9月25日の噴火で神徳院(高原町狭野神社別当寺)並びに花堂町、東光坊と祓川集落が残らず焼失した。このとき山之口(都城市)でも砂や灰が1坪当たり１升3合も降り、９月26日の爆発では1坪当たり6斗4升も降った。12月28日の夜大爆発、山之口も多量の火山灰が降って暗くなり、飛松(都城市山之口町)には大石が降った。この爆発で花堂(高原町)の武家屋敷が残らず焼失、このあたりは差し渡し1尺から2尺(30�僉�60��)の石が降り、砂灰は8.9寸(25、6ｃｍ)から1尺(33��)に達するほど降った。翌29日は高原の蒲牟田や高崎の朝倉辺りも大半が焼けた。同2年(1717)正月3日も爆発、山之口も砂や灰が降り、高原の入来、石ケ野、川平は大半が焼失した。7日も爆発、山之口にも1坪当たり1斗3升の大石小石が降った。この他度々噴火による降灰があり、大噴火の時は雷が光り雷鳴が轟いた。 山之口役人は状況を確認、砂揚げ作業(復旧工事)に従事すると1日に米7合5勺を与えると触れ、百姓並びに女子供も7合5勺と決めている。 山之口まで火山礫が飛んできているが、人的被害は記録されていない。(『古今山之口記録』  天暦元年(947)の霧島山噴火で狭野神社別当寺神徳院が焼失し、東霧島神社の勅詔院に一時遷座している。島津氏が寛永7年(1639)と明歴2年(1656)に社殿造営を行なうが、享保元年(1716)霧島山噴火によって再び焼失している。(『角川日本地名大事典』)遠く離れた高鍋藩(高鍋町)でも霧島噴火を記録している。享保2年正月11日「去る三日霧島焚五日頃より昨夜迄昼夜二三度ツヽ霧島山鳴動」(『高鍋藩拾遺本藩実録』) 3日霧島噴火、5日頃より昨夜(10日)迄昼夜2、3度霧島山が鳴動したとある。爆発音が聞こえたが被害はがなかったようだ。 近年では2011年1月27日霧島の新燃岳が噴火、麓の高原町は降灰、農作物に被害があった。 資料 『宮崎県文献資料研究会叢書一 古今山之口記録』宮崎県文献資料研究会 『宮崎県史料 第二巻 高鍋藩 拾遺本藩実録』宮崎県立図書館 |
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| 2025-02-25 更新 | ||||||
| 著者プロフィール | ||||||
| 前田 博仁(まえだ ひろひと) 昭和40年宮崎大卒。県内小学校、県総合博物館、県文化課、県立図書館を歴任、 平成15年宮崎市立生目台西小学校校長定年退職。 現在、宮崎民俗学会会長 (県)みやざきの神楽魅力発信委員会顧問、(県)伝統工芸品専門委員、 高鍋神楽記録作成調査委員会参与、日南市文化財審議会委員  著書『近世日向の仏師たち』(鉱脈社) 『薩摩かくれ念仏と日向』(鉱脈社) 『近世日向の修験道』(鉱脈社)、 『比木神楽』(鉱脈社)、 『神楽のこころを舞いつぐ』(鉱脈社)、 他に『鵜戸まいりの道』 『飫肥街道』(鉱脈社) 共著 『宮崎県史 民俗編』 『日之影町史(民俗)』 『北浦町史(民俗)』 『日向市史(民俗)』 『清武町史(民俗)』 『みやざきの神楽ガイド』 |
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