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宮崎、歴史こぼれ話
科学技術の発展を別にすれば、武士や庶民の生き方考え方などは現代と同じ。民俗的視点から学校の歴史学習では習わない当時の人々の生活を紹介します。
 
No.179 宮崎市赤江に竜巻が発生
前 田 博 仁 ( 宮崎民俗学会会長 )
 令和六年八月二十八日の深夜、宮崎市恒久から大淀川南側で竜巻とみられる突風が発生したとテレビや地元紙が報道した。
 映像はJR南宮崎駅前の南北に通じる通りの両側を北上しながら壊れた屋根、吹き飛んだ瓦片や家財道具などを片づける人々の様子を映し出していた。
 「赤江郷土史」執筆に関わることから記録に残そうとカメラを持ったが、被災者の心情をおもんばかって止めることにした。十日位後、赤江小前から北上すると八重川左岸にブルーシートで屋根を覆った数軒、道路左にも同様の屋根数軒が見えた。ブルーシート屋根が竜巻の通過を知らせるものと思い、小戸之橋に向かって進み、途中から左折、八坂神社の方に進んだ。境内樹木の大枝が折れたらしく重機で取り除く作業をしている業者、神社近くの数軒にシートが被せてあり、その中の一軒に業者数人の姿があり、屋根補修をしている様子が目に入った。次に南宮崎駅に向かいテレビ報道で見た辺りを進むとシートで覆われた家屋を確認した。
 竜巻発生は宮崎空港滑走路か飛江田辺りと報道していたので、赤江の工業団地へ行くと数社の社屋にシートが張ってあった。
 後日、知人の紹介があり同団地の上下水道工事を営まれる山崎設備の山崎栄一郎社長に当時の状況をお聞きした。
 真夜中突然台風と地震が一度に襲ってきたと感じられる激しい揺れが家屋を襲った。しばらくすると近隣の人々の声がしたので外に出てみると、屋外にとめていた会社所有の車数台が横転、上下逆さまになった車を確認、一台は隣の敷地まで飛ばされていたという。
 八月三〇日付宮崎日日新聞に、竜巻は二度発生したとある。
 一つは空港北側の赤江から恒久や城ヶ崎を通って小戸之橋南詰へ。もう一つは赤江から大淀、谷川を通り大淀川を越えて大塚から柏原と進んだとある。
 台風が九州の西側を通過すると台風の北東側に積雷雲が発生して竜巻が起きるとあった。
台風10号に関して佐土原町や新富町、西都市、延岡市でも発生した。平成十八年(二〇〇六)延岡での竜巻はJRのディーゼル車が横転したことは記憶に新しい。
 ところで、筆者が中学生だった昭和三十四、五年頃、飛行場の近く、現在コカコーラ社がある津和田の農家四、五軒が竜巻被害にあったこと記憶している。飛行場で発生し、国道220号を横切って西へ進んだようだ。屋根が吹き飛び折れた柱はむき出しになっていた。
2025-01-28 更新
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著者プロフィール
前田 博仁(まえだ ひろひと) 
昭和40年宮崎大卒。県内小学校、県総合博物館、県文化課、県立図書館を歴任、
平成15年宮崎市立生目台西小学校校長定年退職。
現在、宮崎民俗学会会長
(県)みやざきの神楽魅力発信委員会顧問、(県)伝統工芸品専門委員、
高鍋神楽記録作成調査委員会参与、日南市文化財審議会委員

著書
『近世日向の仏師たち』(鉱脈社)
『薩摩かくれ念仏と日向』(鉱脈社)
『近世日向の修験道』(鉱脈社)、
『比木神楽』(鉱脈社)、
『神楽のこころを舞いつぐ』(鉱脈社)、
他に『鵜戸まいりの道』
『飫肥街道』(鉱脈社)

共著
『宮崎県史 民俗編』
『日之影町史(民俗)』
『北浦町史(民俗)』
『日向市史(民俗)』
『清武町史(民俗)』
『みやざきの神楽ガイド』
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