| ミテンの本棚 > 宮崎、歴史こぼれ話 | ||||||
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 令和6年（2024）10 月2日午前7時58分、宮崎空港東側の誘導路で爆発が発生。爆発で径約７ｍ×４ｍ、深さ約１ｍの陥没穴が生じたと報道した。空港は旧日本海軍の飛行場として昭和18年(1943)練習基地として開設、同19年10月10日には特攻基地となり、台湾沖に出撃し昭和20年以降神風特別攻撃隊の発進基地となった。 昭和20年3月18日アメリ軍艦載機が午前に540機、午後200機が襲来して赤江基地と宮崎市を爆撃した。 今回の爆発は米軍の爆弾投下時、不発で今日まで残っていたと思われる。 爆弾投下は艦載機だけでなくグアム基地を発進したＢ29もあり、Ｂ29は青島方面から赤江基地や宮崎市街地に爆弾を投下した。松崎観音の高台から眼下に広がる水田を見ると、爆弾痕が100m間隔で清武川から赤江基地に向かって列をなし、それは3、4列になっていた。  当時は破壊したい目的物の手前から投下する大ざっぱな戦術だったので、飛行場周辺の集落や畑地、竹林や松林にも投下した。戦後間もなく、不発弾掘り出しが始まった。屋敷の傍に爆弾が落ちたが爆発していないなど、あちこちの集落で行われた。5、6年前だったか、津和田のガソリンスタンド脇で工事中に不発弾が出て、撤去作業中近隣住民は避難させられたのは記憶に新しい。 投下された爆弾の何％は爆発しないものがあり、人々は不発弾と言わず「時限爆弾」と言って恐れた。不発弾なら不発だから爆発しない、規格外の不良爆弾だから不発、時限爆弾なら1か月後か、数か月、数年後か住民が忘れた頃爆発する、非常に人間性に欠ける爆弾という噂だった。  ところで掘り出した爆弾はどうしたか。赤江基地の滑走路は2本あり、�昌�状に中央で交わっていた。東西に設置されたのを縦滑走路、北西から南東に延びるのを斜め滑走路と言った。斜め滑走路の北西部は、今、ラクビー場になっている。両滑走路の東端は砂丘までで、掘り出した爆弾は縦滑走路東端の砂丘に２、３ｍの高さに山積み(数か所)され、周囲を有刺鉄線で囲ってあった。また有刺鉄線内には日本軍の機関銃や小銃、刀剣などもあった。掘り出した爆弾は砂丘か浜辺で、日本軍の銃器を加えて爆破した。それを「不発弾処理」と言い、1日に何回か、数か月続いた。ドーン、ドーンという腹に響く爆発音が遠くまで聞こえ、時に破片が飛んで来ることもあった。 畑で仕事をしていると破片が飛んできたといい、長さ30cm位、幅7、8cmの鉄片を拾ってきた。「ボロ買い」に売ろうと言っていた。爆発物は身体に当たれば即死する代物、マスコミも行政も「不発弾処理」に対して批判や反対は起こらなかった。終戦直後、そんな時代だった。 国土交通省宮崎空港事務所が、誘導路周辺の磁気探査を行い異常があった。掘削すると大量の砂鉄を確認するが、砂鉄の存在原因は不明と発表した。  筆者(松崎生まれ)が小学高学年の頃、タンポリにハゼ釣り行く時、斜め滑走路南東端、浜畑集落北端の坂を下ると、砂鉄採取業者が多量の砂鉄を採取しており、砂鉄の山が何個もあったのを見た。戦後、金属が不足していたので、砂鉄を売っていたのだろう。また爆発した現場を調査した防衛省は、10月1日「時限式信管」とみられるものを確認したと発表した。空港周辺の住民が「時限爆弾」と言っていたことは事実であった。 ※タンポリ、浚渫船で土砂と水を吸い上げ、滑走路を埋めたてた。 |
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| 2024-12-24 更新 | ||||||
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2025
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| 著者プロフィール | ||||||
| 前田 博仁(まえだ ひろひと) 昭和40年宮崎大卒。県内小学校、県総合博物館、県文化課、県立図書館を歴任、 平成15年宮崎市立生目台西小学校校長定年退職。 現在、宮崎民俗学会会長 (県)みやざきの神楽魅力発信委員会顧問、(県)伝統工芸品専門委員、 高鍋神楽記録作成調査委員会参与、日南市文化財審議会委員  著書『近世日向の仏師たち』(鉱脈社) 『薩摩かくれ念仏と日向』(鉱脈社) 『近世日向の修験道』(鉱脈社)、 『比木神楽』(鉱脈社)、 『神楽のこころを舞いつぐ』(鉱脈社)、 他に『鵜戸まいりの道』 『飫肥街道』(鉱脈社) 共著 『宮崎県史 民俗編』 『日之影町史(民俗)』 『北浦町史(民俗)』 『日向市史(民俗)』 『清武町史(民俗)』 『みやざきの神楽ガイド』 |
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