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2010/8/12(木曜日)

口蹄疫からの復興『はざま牧場の今』

はざま牧場への道「ボランティアや消毒活動、義援金寄付など、様々な面でご協力・ご尽力して下さった方には、感謝の一言に尽きます」

と口にするのは、株式会社はざま牧場の間健二朗社長。
はざま牧場は、都城近郊で約8万頭を超える牛・豚を飼育する県内最大級の農業法人です。

7月27日に非常事態宣言が全面解除となり、復興ムードが高まってきつつあるこの頃、非常事態宣言期間中のこと、そしてこれからのことについてお話しをうかがいました。

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◆これまでのことを振り返る
はざま牧場 間社長 ──非常事態宣言が全面解除となり、今はどういう状況ですか?
「今でも安心できる状況ではなく、まだ完全に終わったとは思っていません。
7月27日の非常事態宣言の解除以降も、7月中は全てにおいて消毒の徹底を続けていて、農場付近の立ち入り時はもちろんのこと、社員の通勤時や会社や販売店を訪れるお客様にも徹底した消毒をお願いしていました。
8月に入ってからは、お客様の車両消毒は停止しましたが、自社で設けたルールに沿った防疫体制は続けています。」

 ──都城市に口蹄疫が発生した最中はいかがでしたか?
「発生してすぐは、情報が全く入ってこなかった事が一番困りました。
緊急事態ということは分かっていても、不用意に動くことはできませんでしたから。」

 ──それでも都城市の対応は早かったと言われていますね。
「そうですね、24時間以内に素早い対処ができたことは良かった事だと思います。
私の会社では、4月20日に最初の口蹄疫の発生のニュースを受けて、数日後には社内対策本部を設置しました。
部門がたくさんあるため(※はざま牧場には豚・牛・野菜・肥料・食肉の5事業部があります。)事業部ごとに担当者を決めて情報の収集と共有を行いました。
都城にも感染が拡大してきた時のことを想定して、シミュレーションを行って備えました。例えば、社員の移動を制限して泊り込みで業務にあたらないといけないとか、車両の移動をどうするかなどです。いつ、どこで発生するか分からないですから・・・。
当初は市の準備も整っていない状態だったので、自社独自で消毒を行っていました。そんな時、仲間が募金を募ってくれて、消毒用の酢を寄付して頂いたりもしました。希釈した酢を使い、農場近辺を社員で分担して、毎日約6,000リットル程散布してひたすら消毒をしていましたね。
その分、都城で発生した時には迅速に対応できたと思います。情報を集めるのには苦労しましたが、何しろ緊急事態だったので、臨機応変にできることをやっていくという形でした。
自社農場の近くで感染が分かったときには、自社農場の家畜が殺処分対象となったときの事まで先周りして考えて、(埋却する)穴を掘って準備しておこうとしていた程です。」

 ──その時、どのようなお気持ちでしたか?
「その時は、もう“都城の、宮崎の畜産を守らなくてはならない”という思いが強かったです。
損得なしに考えて、何としても被害を最小限に抑えることを第一に考えました。
都城は鹿児島とも隣接しているので、そちらに広めてはいけないというプレッシャーもありましたね。」

 ──心身ともに相当に厳しい状況が続いたことと思います。
「私達生産者は不用意な移動をしてはいけないので、消毒作業などの活動にに参加することができず、ただ状況を見守りながら社内で自分たちができることに取り組んでいくという状態でした。
そんな時、暑い中で自ら汗をかいて道路に立ち、消毒作業を行ってくださった方々やボランティア等色々な形で支援してくださった方々には本当に「感謝」の一言に尽きます。」
 
 
幼稚園児からのメッセージ◆これから先
 ──今後のことについて考えていらっしゃることはありますか?
「経営的にも厳しい状況ではありますが、肉の味や質は守っていかねばならないと第一に考えます。
次に、これまでに受けてしまったダメージをどう取り戻していくかが課題です。
敷地内にある直売所は、これまでは地元や九州内からお客様が来てくださっていましたが、消毒のことや移動の自制などで売り上げは3分の1になってしまいました。しかし、それでも買いに来てくださったお客様がいたことは、本当に有り難くて、お客様を大切にしなくてはという思いが更に強まりました。7月からはポイントカードを設置してサービス還元をしていく試みをはじめました。
更には、宮崎県全体で減少してしまった人の流れを今後は(県外からも)呼び込まなくてはいけないと考えています。」

 ──具体的に何か考えていらっしゃるのですか?
「今はまだ構想中ですが、自社内にレストランを作れるといいなと思っています。おしゃれなレストランというよりは、気軽に焼肉が食べられるような雰囲気で。例えばスポーツ大会を終えた子供たちがおいしいお肉をおなかいっぱい食べられるような場所があればいいと思います。
また、幼稚園の子どもたちから激励のポスターをいただいたのですが、社内の壁に貼って、元気をもらいました。
そのお礼に、機会があれば子供たちに子豚と触れ合う機会を作ったり、食育の観点から食や命について考えるきっかけを与える事ができないかと考えています。」

 ──今回のことでは、私たち大人も含めて食について考える機会にもなりました。
「みんなが宮崎の畜産のことや食の事など色々なことを考えた時期だったと思います。
そういった観点では、私たちの会社は循環型農業を実践しているので、農場見学ツアーや体験学習もできないかと考えています。」

 ──循環型農業とはどういうものですか?
「はざま牧場では豚や牛を飼育していますが、そこから出た排泄物を処理して有機質堆肥に変えています。それを使って自社農場の野菜事業部では米や野菜を生産しています。このように廃棄物を資源として再利用して農業を行うことを循環型農業といいます。
また、地元のスーパーから出る廃油やおから、酒造工場から出る焼酎かすを回収して加工処理を施し、肥料や飼料(家畜のえさ)を作っています。廃油は肥料にまぜると甘みのある野菜が採れるんです。」

 ──ごみとなってしまうものに処理を加えて使えるものにするんですね!
「そうです。捨ててしまえば、それは私たちの税金で処理します。でも、加工して使えるものはたくさんあるのです。
家庭ごみであっても、皆が適切に分別して捨てていくようになれば、食品ごみは有機的に処理してまた価値あるものになるのです。」

 ──環境の面からもよい取り組みですね。
「食品リサイクルという面から、こうして各産業がリンクして協力することはこれからもっと大切なことになっていくと思います。さらに、その規模が大きくなればそこに雇用も生まれます。」

 ──色々な面でつながっていくのですね!
「そうです。こういった仕組みを実践していけるのは、畜産が盛んなこの地域の強みともいえます。
農業って面白いですよ!将来的には、我々は家畜のお世話になっているともいえる時代が来るかも知れませんね(笑)」
 
今回の口蹄疫発生を受けてのはざま牧場さんの迅速な対応や今後予定されてる取組み内容には目を見張るものがありますね。

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 ──はざま牧場さんといえば「きなこ豚」がとても有名です。そのおいしさの秘密について何か教えていただけませんでしょうか?
骨付き肩ロース!「豚肉のおいしさを決めるのは、肉の柔らかさと口の中でうまさが広がる油の溶け具合にあります。
きなこ豚は、栄養価の高い大豆の植物性タンパク質とうまみのある大豆油を含んだきなこが入った餌を食べて育っています。そのため、臭さがなく甘みの高い肉となるのです。
飼育する環境も重要だと考えているので、自然体を理想として自然の空気や太陽の光、そして木材加工で出たおがくずを活用して飼育環境を作っています。」

 ──きなこ豚はしゃぶしゃぶやトンカツなどの料理でおいしいと評判ですが、社長おすすめの食べ方はありますか?
「最近直売所で販売を始めたばかりの「骨付きロース」が最高ですね!!厚い肩ロースのかたまりに骨がついたボリュームある肉です。私も家で調理して食べますが、弱火でじわっと熱を通して、塩コショウで味をつけるだけでおいしいですよ。」

 ──話を聞くだけでお腹がすいてきます。
「脂身が苦手な方でも食べていただける料理で、夏の疲れも取れますよ!」
 

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「南九州の自然の恵みを生かした取り組みをしていきたい」
と力強く話す間社長は、これまでの厳しい期間をばねとして、農業を更に発展させていこうとする姿が印象に残りました。

私たちもこれから復興に向けて、自ら考え一歩を踏み出していくことが大切ではないかと思いました。きなこ豚をはじめ、はざま牧場自慢のおいしい牛肉や野菜を食べて、元気に過ごしていきたいですね!

はざま牧場直売所

■はざま牧場直売所のご紹介
きなこ豚をはじめ、はざま牧場の自慢の豚肉・牛肉の直営販売所です。
はざま牧場の肥料を使って愛情たっぷりに育てた野菜やお米も販売しています。

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┃【株式会社 はざま牧場】
公式ウェブサイト
ご注文はこちらからどうぞ
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 | mitenco | 14:33:02

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